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谷村 嘉彦; 吉澤 道夫
Radiation Protection Dosimetry, 180(1-4), p.417 - 421, 2018/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)放射線標準施設(FRS)に整備された14.8MeV単色中性子校正場の中性子フルエンスを測定するために、一組のラジエータ、E検出器及びE検出器からなる高効率反跳陽子テレスコープ(PRT)を開発した。ラジエータには、2mmの厚いプラスチックシンチレーション検出器を採用することにより、検出効率を向上させるとともに、ラジエータ内での反跳陽子のエネルギー損失を補償可能とした。E及びE検出器には、それぞれ150m及び3mmの有感層を持つシリコン半導体検出器を採用した。ラジエータ-E検出器間の距離を、50mm, 100mm及び150mmに変化させたときの検出効率を14,8MeV校正場での試験結果を基に評価した。検出効率は、距離の減少とともに、最大3.710まで増加した。これは、通常のPRTよりも数桁高く、FRSの14.8MeV校正場での中性子フルエンス測定が数時間で可能な検出効率である。
桜井 淳; 山本 俊弘
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.172 - 176, 2005/06
MCNPデフォルト法,経験式法,単色中性子減衰曲線法,MCNP wwg法及び随伴線束法のような代表的なウェイト推定法について解説した。単色中性子減衰曲線法は著者が提案した方法である。経験式法と単色中性子減衰曲線法の推定精度を評価するために、同じ計算体系でMCNP wwg法でウェイト下限値を算出し、比較した。前者の方法は30cmの鉄深層透過でも1/10-1/100過小評価するが、後者は1mの鉄を透過後でも1/20程度と推定精度がよいことを確認した。
清水 滋; 藤井 克年; 梶本 与一; 川崎 朋克; 山本 英明
第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.32 - 35, 2004/02
原研東海の放射線標準施設では、平成12年7月に放射線測定器の校正用としてファン・デ・グラーフ型加速器(NEC社製Model 4UH-HC)を設置し、8keV20MeVのエネルギー範囲における単色中性子照射場及び6MeVの高エネルギー線照射場の整備を段階的に進めている。本加速器は、最大加速電圧4MV,最大イオン電流50A,加速イオンが陽子・重陽子のシングルエンド・ペレトロン加速器で、デュオプラズマトロン正イオン源を用いた連続照射とパルス化装置によるパルス照射(1.5nsec FWHM)が可能である。本加速器は平成13年度より運転を開始し、パルス運転のテスト,エネルギー校正,モニタ検出器の実験,p-Li,d-Dターゲットによる二次標準照射場の構築,散乱線測定等に使用してきた。本講演では、加速器施設の概要,運転状況,整備状況等について報告する。
吉澤 道夫; 三枝 純; 谷村 嘉彦; 吉田 真
Proceedings of 14th Meeting of Consultative Committee for Ionizing Radiation, 5 Pages, 2002/00
原研放射線標準施設(FRS)の概要について報告する。現在、FRSでは加速器設備を用いた中性子線量計の校正場を開発中であり、ここでは(1)単色中性子校正場の開発,(2)スペクトル可変校正場の開発,(3)校正場設計用計算解析コードMCNP-ANTの開発、の三つについて開発の現状と将来展望について述べた。(1)では中性子校正施設は概要,ペレトロン加速器を用いた単色中性子源の概要及び国家標準とのトレーサビリティ確保の方法について、(2)ではスペクトル可変校正場の必要性及び校正場の確立方法について、(3)では校正場の設計に必要となる解析コードの内容及び検証結果についてそれぞれまとめた。
中根 佳弘; 坂本 幸夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 459(3), p.552 - 564, 2001/03
被引用回数:11 パーセンタイル:61.93(Instruments & Instrumentation)加速器施設の遮蔽設計に重要な中間エネルギー領域中性子に対する線量評価手法を確立するため、TIARAの40及び65MeV準単色中性子入射による平板ファントム内での吸収線量及び線量のy分布を人体組織等価型の比例計数管と電離箱を用いて測定し、粒子輸送計算コードによる解析結果と比較した。15MeV以上の中性子に対しては2次粒子が検出器に付与するエネルギーから吸収線量を求め、それ以下の中性子に対してはファントム中での中性子フルエンス計算値に中性子Kerma係数を乗じて吸収線量を求めた結果吸収線量計算値は実験値をおおむね10%以内で再現した。一方で、比較のために15MeV以上の中性子に対して中性子フルエンスと中性子Kerma係数から求めた吸収線量は、ファントム内では実験値をよく再現したが、表面で約40-60%過大となった。これは検出器の厚さが入射エネルギーに対して十分でないことによるものと推察される。
高田 弘; 明午 伸一郎; 伊賀 公紀*
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(3), p.307 - 315, 2000/03
核子・中間子輸送コードNMTC/JAERI97における20~100MeVのエネルギー領域の中性子弾性散乱の角度分布の取り扱いを1次のベッセル関数近似から光学ポテンシャルパラメータで評価したデータベースに基づくランダムサンプリング法に改訂した。この改訂したNMTC/JAERI97を用いて、鉄、コンクリート及びポリエチレンを用いた43及び68MeV準単色中性子の透過実験を解析した。このNMTC/JAERI97の計算は、測定された透過中性子エネルギースペクトルと良く一致する。そして、中性子減弱距離のC/E値を従来の計算に比べて顕著に改善した。また、計算結果は遮蔽体のビーム軸から離れた位置における中性子スペクトル測定値を良く再現する。さらに、光学ポテンシャルパラメータで評価した断面積を用いた計算は、系統式の場合よりも40MeV以下の中性子の透過をより良く再現する。
C.Ertek*; 大井川 宏之
Proceedings of 8th ASTM-EURATOM Symposium on Reactor Dosimetry (ASTM STP 1228), p.187 - 193, 1994/00
トルコCekmece核研究センターの研究炉TR-I(1MW+h)の1.456eV単色中性子ビームを使った天然インジウム箔の照射実験について解析を行った。照射したインジウム箔は26,28,44mの3枚であり、これらを重ね合わせて垂直に中性子が入射するように配置した。天然インジウムの主要核種であるIn-115は1.46eVに大きな共鳴吸収断面積を持つため、3枚の箔の放射化率を調べることにより中性子の箔内での減衰の様子が分かり、断面積の評価を行うことができる。JENDL-Dosimetry fileを使った解析的な計算では実験的に見られる中性子の深層への透過が再現できないことが分かった。今後、核データの誤りと計算の高度化の両面から検討を行う必要がある。